伴走者として見えた「問い」の価値 ―― 学生サポーターが語るアントレプレナーシップ教育の現場
千葉大学で展開されているアントレプレナーシップ教育。
今回は、小中高生向けプログラム「TOKKA」に学生サポーターとして携わった学生に、活動を通じて得た気づきや、自身の成長についてお話を伺いました。
答えを教えるのではなく、判断要素を提示
―― TOKKAでの活動を振り返って、どのような学びがありましたか?――
学生サポーターという立場は、自分自身がアイデアを考えるときとは異なる難しさがありました。
高校生にアドバイスをすることはあっても、最終的に意思決定をするのはあくまで高校生自身です。
そのため、「答え」を示すのではなく、彼らが判断するための要素や観点を整理して提示することを意識しました。
また、ゴールまでの道筋を共有し、躓きそうなポイントを先回りしてサポートするためには、彼らの話を丁寧に聴くことが不可欠でした。
一方で、こちらの質問の仕方が適切でないと、本音を引き出せないという難しさがありました。
「専門家でなくても、高校生が自らゴールに向かって進めるようにフィードバックする力」
当時は大学2年生で、専門知識も協働の経験も十分ではありませんでしたが、チームの社会人の方々に助けられながら、この力を少しずつ身につけることができたと感じています。
ゼミや卒業研究を経験した今、振り返ると「もっと多様な選択肢を提示できたのではないか」という思いも生まれています。
「自ら問いを立てる」学びが、研究と社会をつなぐ
―― アントレプレナーシップ教育に関わって、自身の考え方に変化はありましたか?――
アントレプレナーシップ教育は、先生から知識を教わる従来型の授業とは異なり、「自ら問いを立て、試行錯誤を繰り返す」新しいタイプの学びだと感じました。実は、このプロセスは大学での「研究活動」と非常に近い部分があります。
活動を通じて実感したのは、以下の3点です。
- 基礎学力の重要性: 目標に向かって進む土台として、国語や数学などの教養科目が不可欠であると再認識しました。
- 「まず動く」姿勢の刺激: 関わった小中高生の中には、驚くほど行動力が高い生徒が多くいました。慎重派だった私にとって、彼らの実践は大きな刺激になりました。
- 研究の社会実装: 普段の研究が「社会とどうつながりうるのか」を意識する重要なきっかけとなりました。
未来のサポーターへ:あなたの「引き出し」が誰かの力になる
―― これから関わりを考えている千葉大生へメッセージをお願いします ――
私自身も含め、小中高時代にこうした教育を受けてこなかった学生は多いと思います。だからこそ、サポーターとして参加することで、自分自身も「ゴールから逆算する(バックキャスト)」思考を鍛えることができます。起業や教育に詳しくなくても大丈夫!
「少し興味がある」その気持ちだけで十分です。
千葉大生がこれまで積み重ねてきた知識や経験という「引き出し」は、小中高生にとって非常に大きな力になります。
ぜひ一歩踏み出して、彼らと共に成長する経験を味わってみてください。
