東芝×千葉大学 東芝版デザイン思考「カスタマーバリューデザイン®」1dayワークショップ(2025年11月29日)

2025年11月29日に、東芝が長年にわたり培ってきた独自のデザイン思考「カスタマーバリューデザイン®」を千葉大学生向けにアレンジした1dayワークショップを開催しました。
このワークショップの狙いは、ビジョン共有と共創を重視する東芝版デザイン思考の考え方を知り、顧客と徹底的に向き合ってインサイトを探り、
解決案を創出するプロセスを体験することを通して、自己変容へのきっかけをつかむことです。
今回のワークショップの会場となったのは、東芝スマートコミュニティーセンター内にあるCreative Circuit®。
共創・協働活動を推進するために設置されたスペースで、アイデアをその場で可視化できるよう、壁面のほとんどはホワイトボードで構成されていました。
そこに、なぜか折り紙や毛糸、お菓子の空き箱やハサミ・のりなどが置かれていて...ワクワクしながらワークショップ開始を待ちます。
東芝版デザイン思考を学ぶ
まずは、「デザイン思考」を学びます。大学でデザインを専攻していない学生も多く参加していたため、
いくつかのデザイン思考モデルやビジネス界でデザイン思考が注目されている背景などについて、説明を受けました。
その中でも東芝版デザイン思考は、ビジネスの方向性やメンバーの価値観を確認して揃えていく「ビジョン共有」が特徴であり、
そのために形式知化した独自のマインドセットと共創・協働のリテラシーについても紹介されました。参加者は少し緊張しつつも、興味深く聞いていた姿が見られました。

「新しいお財布づくり」でクイックにデザイン思考を体感せよ!
しっかり知識をインプットした後は、デザイン思考をクイックに体感するワークです。
「お財布を新しくデザインする」をテーマに、ユーザーに調査する際の問いの立て方や、言語化することの重要性、完璧思考から脱却し評価・検証は素早く何回も行うことの必要性を、ペアワークを通して学びます。
ペアの学生(ユーザー)が求めているお財布はどんなものなのか?
ユーザーインタービューを行い、まずは共感するところからスタート。聞き取ったニーズのもとになっている困りごとや価値観であるインサイトを書き出し、解決すべき課題を見つけます。
「これ3分!」「次は5分で!」と限られた時間の中、頭をフル回転させて取り組みました。

次は、アイデアを可視化し、実物大を意識したプロトタイプを作っていきます。
解決策を考えるために重要なリフレーミングのコツを踏まえ、絵の上手い・下手は関係ない!とにかく書いてみる!とにかく手を動かす!を体験。
実際に作ったプロトタイプを見せ、ペアの学生からフィードバックをもらい、また5分で改良する。慣れないモノづくりのワークでしたが、全員がすぐに立ち上がり、材料を手に取り作業に没頭していました。
「絶対になくしたくない」というニーズに対して、ネクタイと一体化したお財布が完成したり、しっかりユーザーのニーズに応えた結果"普通のお財布"が完成したり、様々な作品ができあがりました。
ある学生は「普段、かなり慎重なタイプだが、今回の超ハイスピードな進行の中で、多くの不確実さに向き合いながらも、少しずつ思いがけない答えにたどり着けることを実感した」
と事後アンケートで綴っていました。


自分自身の価値観を探る
後半戦は、東芝版デザイン思考において重視されている「ビジョン共有」について深堀していきます。
共創・協働におけるビジョン共有は価値観の共有であり、その起点となるものは「自分自身の価値観」であることを学んだ後、自身の"マイヒーロー/ヒロイン"に惹きつけられる点を糸口に、
自分の価値観を探り言語化するワークに挑みます。
本学学生OB・OGでもある東芝社員の皆さんがファシリテーターとなり、異なる学年・専門分野の学生で編成されたチーム内で、
内省と開示を繰り返すことで、自身のアントレプレナーとしての価値観がどのようなものなのか、自己を深く探求しました。
事後アンケートでは、「自分の言語化能力の現状や、自分が他人事として物事を見ていることが多いことに気づかされた」と、
自己の気づきを記している学生や、「今まで曖昧にしていた自分の価値観を、複数回のフィードバックをもらいながら練り上げていくことで、自分の言葉で表現できたことで考えがクリアになった」と
綴っている学生もおり、参加者にとって、自分の価値観を改めて見つめなおす貴重な機会となりました。

最後に
今回のワークショップは、千葉大学OB・OGの東芝社員の方々が企画・運営に携わってくださいました。
「▲▲(←学生証番号の頭2桁)です」など、"本学の卒業生あるある"な会話からスタートし、終始楽しい雰囲気で運営してくださり、参加学生たちにとって、より充実したワークショップとなりました。
参加学生たちからは「相手のニーズを鵜呑みにするのではなく、潜在しているニーズや言語化・視覚化されてない問題がないかを見つめ直すことが意外にも相手のニーズを満たすことがあるというのは新たな発見であった」や「細密に計画を立てなければいけない、という固定概念を取り払うことができた」などの声もあり、1dayではありましたが、ぎゅっと詰まった内容のワークショップを経て、たくさんの気づきを得ることができました。
また、「アントレプレナーシップを学びたい人だけでなく、様々な人に有意義なワークショップだったので、規模を大きくしたり募集や宣伝をもっと行うべきだと思う」という声もいただきました(広報、頑張ります!)。
千葉大学アントレプレナーシップセンターは今後も、このような貴重な産学連携の機会を教育に活かし、様々なプログラムを展開してまいります。
関連リンク
【募集終了】東芝×千葉大学 東芝版デザイン思考「カスタマーバリューデザイン®」1dayワークショップ
