2025年8月31日(日)から9月6日(土)までの7日間、学生スタートアップ支援事業の北海道コース「アントレワークキャンプin ニセコ」が北海道ニセコ町で開催されました。
本事業の現地プログラムとして採択された学生5名、アントレプレナーシップセンターから教職員4名が参加しました。
「アントレワークキャンプin ニセコ」は、小樽商科大学CGS(グローカル戦略推進センター)が主幹となり、全国各地の学生らを対象にアントレプレナーシップマインドを醸成する実践的なプログラムです※。北海道ニセコ町をフィールドに、地元企業への訪問や市場調査、ヒアリングなどを実施しました。これらのフィールドワークや講義を通じて、課題解決に向けたビジネスアイデアの着想プロセスを学ぶとともに、全国各地からの参加者と交流する中で、多様性や協力関係の重要性を実感する貴重な機会となりました。
※参加校は北陸先端科学技術大学院大学、室蘭工業大学、函館工業高等専門学校、千葉大学、熊本大学、旭川市立大学、北見工業大学、北海道情報大学、熊本工業高等専門学校、はこだて未来大学、小樽商科大学
講義やフィールドワークを通して地域や地元企業の課題と取組を知る
キャンプの前半は地元の企業数社を訪問。酪農の牧場からスタートし、現在は洋菓子や乳製品の商品開発などを行う「株式会社高橋牧場 ミルク工房」、令和2年に本店機能をニセコに移した世界のお茶を取り扱う専門店「株式会社ルピシア」、さらに、ニセコの自然と共生し、風土を活かした酒造りをしている「ニセコ蒸留所」など地元に根付いた企業の担当者から、課題や取組が紹介されました。「他にさきがけて1次、2次、3次を掛け合わせた6次産業を行い、新たな挑戦を行ってきた」「一極集中で競合と闘うよりも、北海道の地でその地域の人たちに愛されるというブランディングを目指した」など、現場ならではのコメントをいただくことができ、さまざまなインプットを得た参加者たちは課題を設定、事業アイデアを構想していきました。
また、本学アントレプレナーシップセンターの小牧瞳特任助教らを講師に、「市場分析と課題設定」「ビジネスモデルキャンバス」についての講義も行われ、事業者側の発想だけではなく、ユーザーペイン(製品やサービス、システムとの体験においてユーザーが直面する問題や課題)の把握などを学ぶとともに、キャンプ後半に行われる市場調査に向けた準備を進めました。
市場分析やビジネスモデルについて講義する本学アントレプレナーシップセンターの小牧氏
課題設定や事業アイデアを共有しながら、最終日の発表準備を進める学生たち
ニセコ道の駅にてインタビュー。さすがニセコだけあって海外からの観光客の姿も
最終発表では地元の高校生も審査員に! 本学参加学生がJAIST賞を受賞
最終日となった9月5日、ニセコ高校の体育館で、同校の高校生と、各大学の教員が観客・審査員となって、最終発表が行われました。1チームあたりの持ち時間は発表5分・質疑応答5分。それぞれ、期間中のインプットを基に、ビジネスアイデアや課題、現状とのギャップやそれらの解決策を盛り込んだプレゼンテーションを行いました。
高校生の投票と教職員による評価を合わせた結果、本学法政経学部3年の小黒茉由さんが提案した「ウイスキー廃液を肥料に 活⽤する循環ビジネス~持続可能なニセコへ~」が最優秀賞のJAIST賞を受賞しました。
JAIST賞を受賞した小黒さん(中)と、北陸先端科学技術大学院大学の寺野稔学長(右)、同地域イノベーション推進センター中田泰子センター長(左)
今回の 「アントレワークキャンプin ニセコ」は北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)主催の産学官金連携マッチングイベント「Matching-Hub Hokuriku 2025」の連携事業となっており、今回小黒さんが受賞したJAIST賞には、「Matching-Hub Hokuriku 2025」内で開催される学生ビジコン「M-BIP」のシード権が与えられました。
また、本プログラムは、東京圏スタートアップ・エコシステムのプラットフォームであるGTIEから千葉大学、北海道地域のプラットフォームHSFCの参画機関である小樽商科大学、室蘭工業大学、函館高専、九州沖縄地域のプラットフォームPARKSの熊本大学の学生とアントレプレナーシップ・スタートアップ支援関係者、さらに北陸地域の北陸先端科学技術大学院大学のアントレプレナーシップ・スタートアップ支援の関係者が一堂に会し、スタートアップ支援・アントレプレナーシップ人材育成の地域プラットフォームを越えた連携プログラムともなっています。
千葉大学はスタートアップ・エコシステムの地域プラットフォームを越えた連携により、さらなるスタートアップ創出を目指して参ります。
ご参加されました各大学・高専の学生・先生方、また、ご協力いただきました各企業、ニセコ町の皆さま、ありがとうございました。